WIKIレンタル 大衆演劇探訪記
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関東屈指の観光地にある煌京一郎座長の拠点劇場 「日光煌座」

関東屈指の観光地にある煌京一郎座長の拠点劇場 「日光煌座」

西国三十三所
坂東三十三所
秩父三十四所
これらを合わせた百ヶ所の観音霊場を総称して日本百観音といいます。
私はこれを全部めぐることを生涯のゆるい目標にしています。

秩父は狭い地域に集中しているので5日くらいあればクリアできる(私は秩父の霊場はすでに2周まわり終えている)。ところが西国と坂東はかなり広いエリアに点在しています。こちらは旅を重ねながら少しずつクリアしていっています。

坂東三十三ヶ所の第十八番は日光山中禅寺。まさに日光の中禅寺湖のほとりにあります。

東京から東武鉄道に乗って東武日光駅へ。日光駅から湯元温泉行のバスに乗る。いろは坂を越えて中善寺温泉バス停で下車。
ここは中禅寺湖のすぐ近く。華厳の滝の入口も近くにある。

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中禅寺湖と男体山

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バス停から歩いて約20分、中禅寺に着きました。ご本尊の立木観音を参拝。

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坂東三十三観音霊場の御朱印帖に立木観音の御朱印をいただきました。

さて次は今回の旅のもう一つの目的地、日光煌座(にっこうきらめきざ)を目指します。
煌座といえば煌京一郎(あききょういちろう)座長。京一郎座長が日本屈指の観光地日光に興した大衆演劇場。いったいどんな劇場なのでしょうか。

中禅寺温泉バス停から行きとは反対方面(日光駅方面)のバスに乗る。
バスはいろは坂をくねくねと下って日光東照宮近くへ。土産物屋や観光客の多い参道入口付近のバス停で降りました。
近くの食堂で昼食。日光は湯葉が名物。湯葉を使ったメニューが多いです。

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食堂の中に日光煌座のチラシが置いてありました。

食事が終わり、いよいよ日光煌座へ。

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バス通りの国道を歩くと見えてきました。
安川町というバス停の近くです。

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日光煌座外観
さっそく行ってみましょう

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看板左側の階段を上ります。

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日光煌座の建物を入口を正面としてみたところ。

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出入口脇にお客さん用の休憩スペースがあります。

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入口

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入口に入ってすぐ左手に受付があります。
ここで木戸銭を支払います。
チケット変わりにストラップを受け取ります。

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場内後方より

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場内から出入口を見たところ。
劇場の舞台を正面とすると出入口は右後方にあります。

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「煌京一郎」と大きく書かれた幕

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舞台前方

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前方は座椅子席

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その後ろの椅子席

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後方椅子席

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左サイド花道

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場内後方、投光とお手洗い入口

煌座の公演は、1日に何回かあります。
詳細は日光煌座のウェブサイトをご覧ください。

日光煌座にはどんな劇団がいてどんな公演が行われているのか?
どうも基本は煌京一郎座長による舞踊ショーが行われている模様。
他に準レギュラーとして新川恵叶さんという役者さんが多く出演しているよう。
この2日よる舞踊ショーがスタンダードな出し物なのかな?

この日は新川恵叶さんは不在だったけれど、
劇団駒三郎をやめてから久しぶりに舞台に立つという三好辨太郎座長と三好莉奈さんがゲスト出演。3人による舞踊ショーとなりました。

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煌京一郎座長

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煌京一郎座長の女形

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ゲストの三好辨太郎座長と煌京一郎座長の相舞踊

辨太郎座長は宮城県の遠刈田温泉に大衆演劇場を作るべく準備中だとか。

この日は3人の出演者による舞踊ショーですが楽しめました。
日光煌座では出演者が煌京一郎座長一人のときもあるそう。
一体どうやって公演をしているの?
登場して2,3曲踊った後ひっこんで、衣装を変えてまた2,3曲踊るというスタイルらしい。
「一人でもやろうと思えばできる」と京一郎座長は語っていました。

人数が集まったときは舞踊ショーだけでなくお芝居もやってみたいとおっしゃっていました。
やはり大衆演劇というくらいなのでお芝居をやるときがあったらまた見に来たいものです。

この日は1日に公演が3部あって、私は第2部を鑑賞しました。
第2部終演後まもなくして第3部が始まるという慌ただしさ。
私は第2部までで失礼しました。

日光煌座から東武日光駅まで歩いて帰ります。
途中にお土産屋さんがたくさんあってそこを覗きながら帰るのが楽しい。
日光は羊羹も名物です。
老舗の羊羹屋が道沿いに並んでいます。
私は三ツ山羊羹本舗でお土産を買いました。

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家に帰っていただいた水羊羹。
とっても美味しかったです。

出演者が座長ひとりのこともあるという全国的にも稀有な大衆演劇場。
超有名観光地にあるという点でも珍しい。
ウェブサイトは日英併記で書かれており日光観光に来た外国人観光客に来ていただくことも狙っていますね。
今後日光の観光名所として知名度を上げてゆくかどうか、見守っていきたいと思います。

(2022年9月探訪)

浜名湖河口のリゾートアイランドにできた大衆演劇場 「浜松演芸場」

浜名湖河口のリゾートアイランドにできた大衆演劇場 「浜松演芸場」

2012年頃にかけて、静岡西部は大衆演劇砂漠化が進んでいました。大井川娯楽センター、ふくろいラドンセンター、バーデンバーデンといったセンターが閉鎖してしまったのでした。それから約10年の間に静岡西部で大衆演劇文化が復興してきました。
2013年に島田蓬莱座、2019年に掛川蓬莱座がオープン。そして今回探訪する浜松演芸場が2022年に誕生しました。

今回目指すのは静岡県最西部に位置する浜名湖、その河口にある弁天島です。
弁天島は海水浴、釣り、潮干狩り、キャンプなどが楽しめるリゾート地。

その弁天島には「開春楼」という看板を掲げた歴史の古いホテルがあります。
近年、経営不振による閉店と再開を繰り返していたようです。コロナ禍においても閉館していましたが、2022年に「弁天島グランドホテル」として再オープンしました。
再オープンにあたってホテル内に「浜松演芸場」という劇場を整備。2022年7月から大衆演劇公演が始まりました。

2022年9月、弁天島グランドホテル(旧開春楼)を訪ねました。

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弁天島があるのはここ。
JR東海道線弁天島駅があります。

東京から浜松まで新幹線で移動。浜松駅で東海道線に乗り換えて3駅目。弁天島駅に着きました。

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弁天島駅のホームから「開春楼」の赤い文字の看板を掲げた建物が見えます。
あれが現、弁天島グランドホテル。
駅からすぐ近くにあることがわかります。

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駅前の幹線道路から見たホテル

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弁天島グランドホテル正面
「浜松演芸場」の看板もかかっています

大衆演劇の開場まで時間があったので周辺を散策しました。

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浜辺に出てみました。
浜辺の何か所かに「ゆるキャン△」の記念看板のようなものを見かけます。

この界隈は漫画・アニメの「ゆるキャン△」の舞台になったらしく、ゆるキャンファンには聖地になっているようです。
弁天島グランドホテル(旧開春楼)も弁天楼という名でゆるキャンに登場しています。

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浜辺から見た弁天島グランドホテル

ではホテル内に入ってみましょう。

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ホテル入口

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ロビー、フロント

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フロントの机上に
「演芸場 上にあおがり下さい エレベーター③です」
と書かれています。

大衆演劇観劇のお客さんはフロントで受付ではなく、演芸場前での受付となります。

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エレベーターまたは階段で3階へ。
このホテルは2階がないので、実質的にはフロントのある1階のすぐ上の階が演芸場のある3階となります。

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演芸場の前に長机が設置されています。
大衆演劇観劇の方はここで木戸銭を支払います。

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浜松演芸場入口

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劇場内後方より
最近リニューアルされたことがわかるキレイな劇場です

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前方の椅子席

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後方の椅子席

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花道

お昼の部は12:30開演
この日は3部構成
第1部 顔見せミニショー
第2部 お芝居
第3部 舞踊ショー

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公演中の様子

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今月浜松演芸場に乗っているのは藤間劇団
ちょうどこの日は三代目藤間歩の祭りの日でした。
終演後の写真撮影タイム

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私は1泊2食付きでこのホテルに宿泊します。
昼の部が終わってホテルにチェックイン。
広い洋室の部屋でした。

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窓からはオーシャンビュー

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夕食は1階の「キッチン」という名の食堂でとることになります。
通常は夕食は18時からとのことですが、大衆演劇夜の部(18時開演)を観るお客さんは17時からの夕食も可能とのことでした。私は夜の部の公演も観たいので夕食を17時スタートにしてもらいました。

浜松演芸場夜の部開場時間の17時に劇場に行き座席を確保していから1階の食堂へ移動して夕食をいただきました。

夕食後大衆演劇夜の部を観て、近くのコンビニへおやつを買いにいって、お部屋でお風呂に入って就寝しました。
よく朝は8時に朝食。朝食後10時前にチェックアウトしました。

リニューアルオープンしたばかりの弁天島グランドホテルを利用してみて気になった点があったので記しておきます。

まずこの時代にあって宿泊のネット予約ができません。ホテルのサイトからネット予約することもできなければ、もちろん楽天トラベルといったサイトにも出てきません。電話でしか予約できないのです。
にもかかわらずサイトに掲載されている予約電話番号が間違っている。何度電話してもつながらないのでおかしいなと思っていたところ、ホテルサイトの別の場所に別の予約電話番号が書いてあったので、そこにかけたらつながりました。
予約電話に出た方に(おそらく高齢の男性)1泊2食付きの観劇パックの予約をお願いしました。電話に出た方は、では昼の部の一番前の座席を確保しておきます、と言っていまいた。
当日浜松演芸場の受付で予約済だと伝えると、どうも私の予約は入っていないよう。もしやと思ってホテルのフロントの方にも確認したところ、当日の私の宿泊予約自体がまったく受付されていませんでした。よって当日に宿泊申し込みをした形になりました。
宿泊料金は1泊2食および1回の観劇付きで税込12,900円(観劇をつけなければ11,000円)。
チェックイン時に宿泊料を支払いましたが、カード払いは不可で現金のみでした。
また、チェックインの際に食事や風呂などの案内はまったくなし。鍵を渡されただけでした。
部屋に入っても宿泊の案内のようなものは置いていない。当然Wi-Fiの案内もない。
このホテルは開春楼時代は「浜名湖弁天島温泉」を名乗っていたのようなので、温泉を楽しみにしていましたが、ホテルの方にうかがうと現在大浴場は機能していないとのこと。仕方なくお部屋のお風呂に入りました。

開春楼の改修オープンにあたり、なるべくコストを抑えて少ないスタッフ数で頑張っているのだろうなと思いました。
演芸場受付の方もフロントの方も食堂の方も愛想が良く気持ちよく対応いただいたのは良かったです。

* * *

さてこの日は藤間劇団の藤間歩の祭りの日でした。
せっかくなのでこの日撮影した藤間歩の写真を載せておきます。

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藤間歩さんは前年の7月にも大島劇場で拝見しておりましたが、その時に比べ芝居も舞踊も趣きが変わったと感じました。
めりはりがついて力強くなった印象です。今後どのように変わってゆくか楽しみです。

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ちなみに藤間劇団の藤間あおいさんは、大衆演劇界において「笑顔が素敵で賞」を授与したいと私が勝手に思っている役者さん。
あおいさんの笑顔にはとても癒されます。

* * *

大衆演劇の公演場所は「センター」と「劇場」に分類することができます。
弁天島グランドホテル内浜松演芸場は「センター」でもあり「劇場」でもあるような分類に困る大衆演劇場でした。
ホテルあるいは温浴施設に演芸場が併設されている施設をセンターと呼んでいますが、ここは演芸場にホテルが併設されているといった印象です。

閉店と再開を繰り返してきたホテルですが、浜松演芸場は末永く続いてゆきますように。

(2022年9月探訪)

佐賀県の大衆演劇文化の拠点 大自然の中の温泉ホテル 「龍登園」

佐賀県の大衆演劇文化の拠点 大自然の中の温泉ホテル 「龍登園」

私は全国の大衆演劇場を巡って旅をしていますが、まだ大衆演劇場探訪をしていない県はいくつかあります。
2022年5月時点では、宮城県、山形県、富山県、京都府、島根県、高知県、佐賀県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県。書き出してみると結構たくさんあります。
是非、全県制覇したいところではありますが、これらの県に大衆演劇場がないのでは致し方ありません。が、上記10府県のうち1県だけ2022年時点で大衆演劇場での公演を行っている県があります。
それが佐賀県。
佐賀県の龍登園では毎年2月と6月に大衆演劇の単発公演を行っております。

2022年6月、念願かなってようやく佐賀県の龍登園を訪ねることができました。

土日を使っての九州の旅。
龍登園に宿泊しようと思っていたのですが、かなり前から土曜日の宿泊予約は埋まっておりました。そこで日曜日に日帰り観劇をすることとしました。

宿泊者には佐賀駅からの無料送迎バスがあるようですが、私は日帰り観劇なので一般の路線バスを使用することといたしました。

JR佐賀駅バスセンター7番乗り場から古湯温泉方面行きバスに乗ります。

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「ユースピア入口」バス停で下車。
バス停のむこうに龍登園の建物が見えます。
周りを自然に囲まれたはっきりいってど田舎にあるホテル。
果たしてどれくらいのお客さんが集まるのでしょうか。

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この看板が見えましたら右側の道路に入り坂を登って行きます。

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高台に龍登園の駐車場と建物がありました。

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建物に入るとロビーがあり左手奥にフロントが見えます。
大衆演劇の日帰り観劇のお客さんはホテルフロントでの受付は不要。直接大衆演劇会場は向かうことになります。

建物に入ったフロアー(フロントがあるフロアー)は本館の5階。
大衆演劇場への行き方は次のとおり。
本館5階→フロントの左側から南館5階へ→南館のエレベーターで5階から2階へ→南館2階から渡り廊下を通ってパレス館2階へ→パレス館2階の大衆演劇場へ

龍登園はかなり大きなリゾートホテルなのです。

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館内には道案内の掲示が出ていますのでこれをたよりにパレス館2階へ向かいます。

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南館5階のエレベーター。
ここから2階へ。

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南館2階から渡り廊下を通ってパレス館へ。

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パレス館に着きました。それらしい雰囲気になってきました。

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大衆演劇場であるすいらんの間の前に受付がありました。
ここで木戸銭を支払います。私は事前に座席の予約もしていましたので、食事付観劇料金3500円+指定席予約料500円で4000円を支払いました。

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これがチケット。
チケットの左側に「お芝居弁当引換券」の半券があります。

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受付が終わってさっそく大衆演劇場へ。
ホールは土足禁止。ここで靴を脱ぎます。

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脱いだ靴はビニール袋に入れて各自持参。

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場内左後方より。
広いです。

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正面後方より。

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前方。
見ての通り舞台の床は高くありません。

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場内舞台前から後方を見たところ

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前方は低いテーブルに座布団。
この写真の右側が舞台です。

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後方は高いテーブルに椅子席。
この写真の左側が舞台です。

この日は日曜日ということもあり多くのお客さんで賑わっていました。100人以上いたのではないでしょうか。
ほとんどが常連さんとお見受けしました。
テーブルの上にお菓子・つまみ・酒を並べて仲間と歓談している方々もいます。

龍登園の大衆演劇公演のタイムスケジュールは次のとおり。
 10:00受付開始
 11:00 第1部 舞踊ショー
 12:00 休憩
 13:00 第2部 芝居
 14:00 休憩
 14:30 第3部 舞踊ショー
 15:30終演
このように3部構成となっています。

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第1部舞踊ショーの様子。
舞台の床は高くない。が、客席に傾斜はない。
となると必然的に前のお客さんの頭は視界の邪魔になります。
が、劇場がたくさんあり芝居慣れしている都会と違い、地方の会場ではこれくらいの不便さは皆さんあまり気になさらないのかもしれません。

舞踊ショーでは多くのお客さんがペンライトを振っていました。
私は前日長崎県でも大衆演劇を観劇していましたがその際も舞踊ショーでペンライトを振るお客さんがいました。
歌謡のみならず舞踊でもペンライトを振る文化は九州のどのあたりまで伝播しているのでしょうか。

第1部が終わるとお昼休憩。
皆さんお弁当をゲットするために席を立ちます。

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最初に木戸銭を支払った場所の近くにお弁当が並べられていました。
ここでチケットの半券とお弁当を交換します。
ホールから出る際に靴を履かなくてもいいように、白い布で専用の通路が設けられます。

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お弁当以外にもお菓子やジュース、お酒を販売しています。

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ソフトドリンクとお酒が並べられたクーラー。

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「劇団花吹雪公認 春之丞&京之介 大納言パイ」も売っていました。

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龍登園のお弁当

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ホールの後方のごみ箱

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第2部お芝居、第3部舞踊ショーと続いて、終演後の写真撮影タイム。
劇団花吹雪の役者たち。
劇団花吹雪は龍登園の常連のようですね。

さて龍登園の日帰り観劇チケットには入浴代も含まれています。
お風呂場は11時30分まで清掃のため入れません。
ですがお昼休憩や観劇後の時間は入ることができます。

私は大衆演劇公演の後、同じくパレス館の2階にある大浴場に入りました。
タオルはレンタル代がかかります。私は持参のタオルで入浴しました。
ホテルのウェブサイトでは「日本でも有数のラドン含有量を誇る熊の川温泉郷の源泉から汲み上げた湯」と書かれていました。

大衆演劇場が少ない県だからといって大衆演劇が浸透していないわけではない、ということを今回の龍登園探訪で実感しました。
大衆演劇を大衆娯楽として日常の延長としてゆるりと楽しむ文化が根付いている様を目の当たりにしました。
かつて筑豊を中心として九州には多くの芝居小屋と旅役者があったといいます。佐賀県も旅芝居を受け入れる風土がまだまだすたれていないのでしょう。

現在大衆演劇場がない府県でも今後単発でもよいので大衆演劇公演が行われることを望んでいます。
その際、この龍登園の公演形態は大変参考になるのではないでしょうか。

(2022年6月探訪)

温泉郷の巨大ホテルでバイキングと大衆演劇三昧 「大江戸温泉物語 ホテルニュー塩原」

温泉郷の巨大ホテルでバイキングと大衆演劇三昧 「大江戸温泉物語 ホテルニュー塩原」

今私がこのブログを書いているのは2022年8月。
先ほど、これまでに探訪した大衆演劇場の数を調べてみたら188劇場もありました。

探訪した劇場は本ブログで紹介してきたつもりだったのですが、探訪済劇場一覧を眺めていましたらブログに書き忘れていた劇場があったことに気が付きました。それが今回レポートします「大江戸温泉物語 ホテルニュー塩原」です。

ホテルニュー塩原を探訪したのは2019年3月。
当時はまだ旅役者として全国を回っていた賀美座の追っかけで訪ねたのでした。

あれから3年以上経ってしまい、今回お届けする内容は情報が古くなってしまいますがご容赦ください。


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JR那須塩原駅。新幹線と東北本線(宇都宮線)の接続駅。

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駅前からホテルニュー塩原の送迎バスに乗る。

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ホテルニュー塩原に到着。

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ホテルの裏側。箒川から眺めたホテル。この大きな建物の奥にB&H館という建物も接続されており巨大なホテルとなっている。

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ホテルの入口に入りますと広いロビーがあります。
フロントがあるこのフロアは2階。

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公演の入場券。宿泊客は観劇無料。

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日帰り観劇のチケットや指定席券を買う自販機。

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当時は月間パスポートというのも売っていました。
8,000円は安い。

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劇場「鳳凰座」はフロントと同じく2階にあります。

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鳳凰座入口脇に掲示されている演目一覧表。

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鳳凰座内後方より。
結構キャパがあります。
この日は多くのお客さんで賑わっていました。

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劇場前方

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花道

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後方の投光所。おひねりレイ。

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鳳凰座の座席

2019年3月探訪時の公演スケジュールは
昼の部13:00~(芝居・舞踊ショー)
夜の部19:00~(舞踊ショー)
でした。
2022年7月の公演スケジュールはホテルHPによると
15:30~16:30 芝居
17:00~18:00 舞踊ショー
となっています。
昼の部とも夜の部ともつかぬ時間帯に公演を行うように変わったのは、午後にチェックインしたお客さんが観劇した後に夕食をとれるようにとの配慮でしょう。

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舞台は広いです。

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賀美座のステージ

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天井にミラーボールがありました。

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凝った照明の舞台でした

昼の部が終わり、チェックインしてお風呂に入って夕食会場へ。

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大江戸温泉物語といえばバイキング。
品数豊富。カニもありました。

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食事会場に賀美座が乱入?
夜の舞踊ショーの宣伝をして回っていました。

夕食を終え再び鳳凰座へ。

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夜の部の賀美座のステージ。
こんな写真が出てきたけどこれ何やってんのかな?
(前より弥寿さん、紗宮子さん、亘くん)

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大衆演劇の他にもパフォーマンスショーというのを毎日やっているようでした。
基本は歌手によるショー。

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大衆演劇夜の部に続き歌手の歌謡ショーも楽しみました。

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翌朝の朝食。やはりバイキング。

この日も賀美座の昼の部の公演を観て帰りました。ですから合計3公演も観てしまいました。

1泊2食(バイキング)に大衆演劇公演、これで2人で税込22,400円(1人あたり11,200円)でした。なっ得価格!(2019年当時の値段です)

以上大江戸温泉物語ホテルニュー塩原のレポートでした。

大江戸温泉物語系列のホテルは2022年時点で全国に39か所あるようです。
そのうち大衆演劇公演を行っているのは2022年度時点で塩原と箕面の2か所でしょうか。
(片山津温泉ながやまと芦原温泉あわらは近年公演をやめてしまった模様)
今はコロナのため観光客が少なくあまりイベントを多くできないのだと思います。
コロナ禍が明けて大衆演劇を行う大江戸温泉物語が増えることを願っています。

(2019年3月探訪、2022年8月執筆)

大阪平野の東端で賑わっている商店街にオープンしたミニ劇場 「瓢箪山劇場」

大阪平野の東端で賑わっている商店街にオープンしたミニ劇場 「瓢箪山劇場」

2022年7月大阪に新しい大衆演劇場がオープンしました。

近鉄奈良線瓢箪山駅から徒歩2分の「瓢箪山劇場」です。

2022年7月5日の東大阪経済新聞のネットニュースには以下のように書かれています。

大阪市内で、九条笑楽座(大阪市西区)、此花演劇館(此花区)、水車小屋(生野区)の3つの大衆演劇場を運営するプランツ・プロモーションが運営する「瓢箪山劇場」。田岡忠雄社長は劇場の運営のほか、全国の劇団の公演スケジュール調整などを行っており、「これまではホテルや温浴レジャー施設などで公演していたが、新型コロナの影響でお客さんが集まらなくなった。披露する場がないので劇場を作っている」と話す。

杮落し公演を務めたのは、姫猿之助座長率いる劇団あやめ。
上記ネットニュースには猿之助座長のコメントも紹介されていました。

神社巡りが好きで同劇場近くの瓢箪山稲荷神社によく参拝に訪れていたと言い、「瓢箪山に劇場ができて不思議な感じ。旅回りでいろいろな地域に行くが、これだけ活気があってフレンドリーな商店街は珍しい。自分の知っている土地なので活性化につながれば」と猿之助さん。「特に見ていただく機会のない若い人や初めての方にも見てほしい。瓢箪山の人に大衆演劇を知ってもらえるように頑張りたい」と笑顔を見せる。

劇団あやめは私の推し劇団ということもあり、さっそく瓢箪山劇場の7月公演を訪ねました。

瓢箪山は大阪平野の東の端にあります。それより東部は生駒山地に向かって傾斜のある土地となります。

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瓢箪山駅東側の踏切。この写真の右手が駅舎。
踏切の南北にアーケード商店街があります(北側に「サンロード瓢箪山」、南側に「ジンジャモール瓢箪山」)。実はこれらのアーケード商店街は、高槻市から泉佐野市に通じる国道170号線(旧道)なのです。日本でもめずらしいアーケード国道です。
瓢箪山劇場に行くにはこの写真に見えているジンジャモール瓢箪山(瓢箪山南口出口が近い)に入ります。

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瓢箪山の商店街は活気があります。
ブログ掲載のためにあえて人通りの少ないタイミングで写真を撮りました。

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このたこ焼き屋さんの先を左折

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しばらく進むと道の右手に瓢箪山劇場が入っているビルが見えました。

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劇場はビルの地下。
階段を下りて劇場に向かいます。

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「瓢箪山劇場」の提灯
その下、劇場出入口前に小さいカウンターがあります。ここが木戸口となっており、木戸銭とチケットを交換します。

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劇場内部から出入口を見たところ。
劇場の左後方に出入口があります。
この出入口は自動扉ですが人感センサーがついていません。普通自動扉は閉まる途中でも人が近づいたらそれを察知してまた開きますが、ここの自動扉は人が近づいても容赦なく閉まってしまうので注意が必要です。

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劇場最後方右手より

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正面後方より

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劇場前方

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花道、、と言っていいのかな。舞台下手から鳥屋口に至る通路。
私がこれまで見た劇場の中で最小・最狭の花道。

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劇場下手前方から後方をみたところ。
私が目視で数えたところ、座席は全部で48ありました。
この他に使われていない折り畳みのパイプ椅子がありましたので、お客さんが多い場合は座席を臨時増設するのだと思います。

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劇場の椅子

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場内前方の座席には傾斜がついていません。
後方の席に少し段差が設けられています。

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お手洗いは劇場外、階段の下

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定式幕を開けた舞台の様子。
客席も舞台もコンパクトな劇場です。
狭めの舞台とはいえ、劇団あやめの初音きらら花形が例によってアクロバティックな前転・バク転をやることができる広さでした。

舞台の床にほとんど高さがありません。なのに客席に傾斜がないということは、、。
2列目以降のお客さんは前の席のお客さんの頭が邪魔でかなり見えにくいのは必定。
劇団あやめの役者さんも、舞台上で座ってしまうと後ろのお客さんが見えないので、なるべく座らないよう意識して演技していると言っていました。

当日は日曜の昼の部ということもあってか大勢のお客さんで賑わいました。
瓢箪山は活気のある商店街がある町。大衆演芸を受け入れる土壌があるでしょう。
ふだん大衆演劇を見ることのなかった地元のお客さんをたくさん取り込んでいるようですね。

この日の公演は、劇団あやめのいつもながらの迫力あるステージ。庶民的な町の皆さんにとって劇団あやめの派手派手なパフォーマンスは刺激になったことでしょう。

ところで私はこの町の名前「瓢箪山」がとても気になっておりました。
その名前の由来となった場所に行ってみました。

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瓢箪山稲荷神社。
瓢箪山劇場の近くにあります。

このあたりには古墳群があり、その中でも6世紀に造られた最大の古墳(双円墳)をその形状から「瓢箪山古墳」と称するようになりました。この瓢箪山古墳の西斜面に建てられたのが瓢箪山稲荷神社です。ですからこの写真に見える社殿の奥が瓢箪山古墳ということになります。瓢箪山の地名はこの古墳に由来しているのです。

最近大衆演劇の口上挨拶で、大阪の大衆演劇界は苦境に立たされているとよく聞きます(特に夜の部の集客が厳しい)。業界を活気づけるために、これまで大衆演劇場がなかった場所、それも大衆の息吹が旺盛な場所に劇場をオープンさせるというのはとてもよいことだと思います。瓢箪山の駅周辺を歩いて、ここは芝居小屋が似合う街だと思いました。ただ、業界が沈んでゆくのと同調するかのように新しくできる劇場の質が落ちてゆくのは残念に思います。業界の経済規模が小さくなっているから大きな投資が難しいのはわかるのですが。。
瓢箪山劇場は正直クオリティが高いとはいえない劇場ですが、庶民の活気に抱かれたとてもよい立地にあります。東大阪にある気軽に寄れる芝居小屋として今後も賑わっていってほしいと思います。

(2022年7月探訪)
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東京在住。大衆芸能(大衆演劇、落語、浪曲、講談等)が好きです。特に大衆演劇の世界に興味をもっています。
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